
「第39回 全日本民医連 循環器懇話会
inおかやま」 ごあいさつ
このたび第39回全日本民医連循環器懇話会を、31年ぶりに岡山の地で開催する運びとなりました。本懇話会の長いあゆみを支えてこられた方々に心から敬意を表します。
今回のメインテーマは「多職種で語り合う、民医連循環器の現在(いま)と未来(これから)」としました。実は31年前のシンポジウムテーマも「民医連における循環器医療の未来」でした。当時は当院には血管撮影装置もない状況でしたが、冠動脈ステントが日本でやっと使用できる時代になり、講演にトップランナーの倉敷中央病院・光藤和明先生をお招きし、民医連病院が何をすべきかを先輩医師が熱く語っていたのを覚えています。時が流れ全国の民医連では地域の循環器専門医療を支える立派な病院がいくつも誕生しました。また高齢者心不全治療を代表とする急性期~慢性期治療には、民医連の強みを生かした多職種協同でのチーム医療が各病院で行われています。前回と状況は大きく異なりますが、今回も全国の皆様と熱く語れる機会になればと願っています。
今回、岡山開催のお話をいただいた際、正直なところお受けすべきどうかを悩みました。岡山の3病院はいずれも循環器症例数は決して多くなく、後継者対策にも苦労して年配医師が何とか現状を維持し、その中で元気のあるメディカルスタッフが心不全チームなどを通して地域医療を支えてくれているのが実情です。ただ同じような境遇の病院が民医連の中に多く存在することを考えると、私たちが主催することで各施設が抱える課題や経験を持ち寄り、お互いに率直な意見を出して、参加者の皆さんが少しでも元気になって、次へのヒントを得られるかもしれないと考え開催を受諾しました。
シンポジウムではワールドカフェと呼ばれる「グループディスカッション」を企画し、そのまま懇親会でも全国の仲間と交流を深めていただければと思っています。未来を担う研修医の参加も大歓迎です。後継者対策についても重要なテーマの一つとして取り上げ、循環器を目指す医師をオール民医連でしっかり育成できることを議論できたらと考えています。オープニング企画では「気候変動と循環器医療」、特別講演では岡山大学病院循環器内科教授 湯浅慎介先生に大学病院と地域医療の関わりに加え、最先端の研究についても講演を依頼しており、日常の診療とは少し離れた内容で何か「刺激」になるものを見つけていただければと思っています。
「晴れの国、岡山」で皆様と共に有意義な時間を過ごせることを祈念しています。
2025年4月1日
実行委員長 岡山協立病院 院長 角南 和治
